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1日に最多280人が応募した「パンダ飼育員」の採用がゼロだった理由は?

飼育下のパンダの一挙手一投足が現在、これまでないほど注目を集めている。そして、各大手セルフメディアプラットフォームでは、「パンダムービー」が大人気となり、「癒し」を求めて多くの人が視聴している。大人気のパンダがいる動物園にも観覧客が殺到しており、「1時間並んで、パンダを見ることができるのは3分」という状態になっているものの、その人気は衰えをみせていない。

パンダが大ブームとなっていることで、これまであまり注目されていなかった「パンダ飼育員」も今、脚光を浴びている。

江蘇省常州市管轄下の溧陽市の南山竹海景勝地にあるパンダ館は先ごろ、「パンダ飼育員」を募集したことで、検索のトレンド入りしたほか、「パンダ飼育員に数百人が応募したものの、採用者はゼロ」というハッシュタグが付いた話題にも注目が集まり、「パンダ飼育員を探すのはそんなに難しいのか?」といった疑問の声もたくさん上がった。

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数百人の応募あるも、採用はゼロ?

糞尿を処理し、消毒し、タケノコを掘り、蒸しパンを作り、竹を運び、夜は一人でパンダの世話をするパンダ飼育員の仕事は実にハードだ。

先月末、李さんのある同僚が体調を崩して退職することになったため、南山竹海景勝地は新たな飼育員を募集した。ただ彼らを驚かせたのは、数年前と異なり、ほとんど知られていなかったこのポストに応募が殺到し、一番多い日で280通もの履歴書が送られてきたことだった。

ただ、応募が殺到したにもかかわらず、なぜか採用者はゼロだったことが、ネットユーザーの間で話題となり、「高嶺の花のポストはなんとパンダ飼育員」といったコメントが寄せられたほどだった。

この件について、「事情を知る関係者」である李さんは、「この仕事のハードルが高すぎるというわけではない。牧畜や農業学校の関連する学科で学んでさえいれば、パンダを飼育する上で必要となる専門的なスキルについては働き始めてから、飼育チームの中ですぐにマスターすることができる。関連した飼育業務の経験者なら、学歴に対する要求がさらに低くなる」と笑顔で説明した。

「履歴書を送って来た若者数人と連絡を取ってみた。しかし彼らは仕事の詳細を知ると、迷った挙句、皆あきらめてしまった。特に女性は、景勝地の山にある小さな木の小屋で、夜に一人で当直しなければならないと聞くと、ほとんどが尻込みしてしまう」という。

その上、パンダ飼育員の月給は5000元(1元は約19.1円)と、決して高いとは言えない上、年間通じて週休は1日。法定の祝祭日も出勤しなければならないだけでなく、そのような日は普段よりも忙しくなる。

「パンダの世話ができる」と思って衝動的に履歴書を送ったものの、現状を知って「熱が冷め」てしまう人がほとんどで、実際にその仕事を始める人は少数なのだという。

一方、これまで「パンダ飼育員」一筋で頑張ってきた李さんは、「私の実家は500キロ離れた江蘇省徐州市にある。でも、ここに来てパンダの世話ができることはとても幸せなこと。ここは空気がきれいだし、パンダもかわいい。2年前には、生まれ故郷にいた祖母もここに引っ越してきて、暮らすようになった。私自身も近くの天目湖鎮に家を買い、この地に定住する計画」と話す。

そして志を同じくする仲間というものは必ずいるものだ。李さんは取材に対して、「ようやく新しい飼育員が決まった。貴州省出身の男性で、牧畜・獣医関連を専攻していた新卒の大学生。もうすぐここに来て、専門的なトレーニングを受けることになっている」と説明した。

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