国連が現地時間5月16日に発表した「2023年中期世界経済の情勢と予測」報告によると、インフレや利上げ、不確定性のエスカレートなどを背景に、世界経済が力強く回復することを期待するのは難しい状況となっている。また、新型コロナウイルス感染症の影響が続いているほか、気候変動悪化の影響やマクロ経済構造性の問題などが原因で、世界経済は依然として長期間にわたって低成長が続く可能性がある。
同報告によると、今年の世界経済の成長率は2.3％（1月の予測から0.4ポイント上昇）、2024年は2.5％と予測されている。
今年の予想経済成長率を国・地域別に見ると、中国は5.3％に上方修正、米国は1.1％に上方修正され、欧州連合(EU)は0.9％と予測されている。
世界の主なエコノミーの経済成長の見通しは改善しているものの、多くの発展途上国は、金融の引き締めや外部融資コスト上昇が原因で、成長の見通しは悪化している。アフリカやラテンアメリカ、カリブ海地域を見ると、今年の一人当たりGDP(国内総生産)はやや上昇するにとどまると予測されており、経済が長期間にわたり停滞し続ける動向に拍車をかけそうだ。後発開発途上国の今年の経済成長は4.1％、2024年は5.2％と予測されており、国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が設定している7％という目標を大きく下回ることになりそうだ。
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